「前進」という言葉の意味合い、それが何を指しているのかは人によって違います。ですから、それをご自分なりに明確にする必要があります。そして、それを考えるには、まず最初に、そもそも自分は何のために「前進」したいのか、その目的を確認することからスタートしたいと思います。

「目的は?」とお聞きすると、「えっ、だって前進した方がいいじゃないですか」とか、「いや、当たり前でしょ。みんなそうなんじゃないですか?」とおっしゃいます。

実際は、みんな同じではありません。コーチング・セッションの中で、「それは何故ですか?」とじっくりお聞きし、ご自分の言葉でお話しいただくと、みんな違います。似た言葉や、似た考え方も確かにありますが、よくお聞きすると、皆さん違います。人はすべてその人なりの目的、意味をお持ちなのです。ですが、普段は当たり前、みんなそうだからといって、なかなか自分の目的を深く考えることをしません。そうすると、目的が不明確ですので、いろんな方法が目の前に現れても、どれを選択したらいいのかわからず、他人が勧めたり、うまくいったよという他人の評価に振り回されてしまいます。そして目的が不明確なまま、その方法だけをやってしまうので、長続きしなかったり、うまくいかなくて、やっぱりダメだと意気消沈してしまうことが多いのではないでしょうか。もちろん、自分にぴったりの方法がそう簡単に見つかるわけではありませんが、まず目的がしっかりしていないと、無駄な情報に振り回されることになります。

なので、まず最初に考えることは、

 

自分は何のために「前進」したいのか、その目的は何か?　です。

じっくり考えてみましょう。すぐに「～だから」と自分の答えが出てくる人もいらっしゃるでしょう。でも多くの人は、「ええっ?　何だろう?」と考え込んでしまうこともあるでしょう。それが大事なのです。人生の目的などと大上段に振りかぶらなくたも大丈夫です。「周りの人から信頼されたいから」「自分には何かができるという自信を持ちたいから」などなど、なんでもいいのです。もちろん「将来〇〇のような人になりたい」など具体的イメージがあるのもいいですね。

今すぐに明確にならなくても大丈夫です。それを考え続けることに意味があります。そして、この目的は日々変わっていくことがありますし、それが通常です。ただ目的を自分の中である程度明確にしておくことが重要です。

 

ここでひとつポイントがあります。何か自分の中で、これかな?という目的が出てきたら、

 

「本当に?」と改めて自分に質問してみてください。

それが、自分の本当に手に入れたいものなのかどうかを確認するのに役立つ質問です。